当院は黒部川から近く、洪水時の浸水想定区域に位置しているため、
台風やゲリラ豪雨に備えて水害対策訓練を実施しました。
参加した事業所は介護医療院、通所リハビリテーション事業所、通所介護さくら、認知症対応型通所わかばの4事業所、参加者は職員34名と利用者54名の総勢88名です。
訓練概要
・情報収集訓練・持出品の確認訓練・垂直避難訓練・図上訓練
訓練の具体的な内容
①7月10日 連日の大雨で黒部川の水位が上がりつつある。
防災情報および河川の洪水予報を確認したところ、警戒レベル2となり、氾濫注意情報が出た。天気予報も引き続き大雨注意報が出ている。
以下より合図とともに訓練スタートする。
②「情報収集」
大雨洪水警報が発令中。情報収集班が防災気象情報を確認する。
「早期注意情報」、「気象警報 注意報」「指定河川洪水予報データベース」で検索して、気象庁の気象情報を確認する。国土交通省「川の防災情報」でライブカメラの確認も行う。場所はPCのある各事務所にて行う。
③「事前準備(初動)」
情報収集班が責任者に、警報レベルが2になっているので利用者を避難誘導する可能性があることを連絡する。責任者は「警報レベルが2になっているので、避難の準備にとりかかりましょう。」と避難誘導班に指示。
避難誘導班は警戒レベルが3に上がる前に準備を始める。
・避難用品(雨具、ヘルメット、拡声器、携帯電話、ラジオ等)の用意。
・避難機器(車いすや歩行器、車両)の用意。
・職員へ情報の周知を行う。収集できる職員がいるか責任者は確認して連絡する。
・利用者への周知「大雨により黒部川が氾濫する可能性があります。
サービスを中止し、避難するかもしれませんので備えてください。」
・各部署(居宅事業所や併設病院)への連絡と連携。
④「避難準備開始」
警戒レベルが遂に3に到達。避難活動を全員で開始する。
・情報収集班が責任者への報告。「警戒レベルが3になったので避難を開始した方がよい。」
・責任者は全員へ迅速かつ安全に避難するよう指示。
・館内放送をかける。館内放送がなければ拡声器等を使用して指示。
・併設病院へ避難開始の連絡。
「〇〇事業所です。黒部川氾濫の恐れあるため、今から利用者〇名避難開始します。」
⑤「非常行動・避難開始」
全員で実際に利用者とともに避難を行う。
・立ち退き避難(水平避難)→安全な場所(荻生小学校など)へ車で避難する。
※現実的には病院に逃げた方が早いので、車両で避難する準備だけ行う。
・屋内安全確保(垂直避難)→併設の池田リハビリテーション病院2階へ避難する。
・避難場所での安全確保を行う、備蓄場所の確認をする。
・利用者家族等への連絡。
「〇〇事業所です。現在洪水警報発令中につき、〇〇病院の〇〇に避難しました。
つきましては・・・」
垂直避難に要した時間
通所リハ 19分35秒
さくら 17分00秒
わかば 15分22秒
課題
避難誘導の際、各事業所の職員が利用者の状態に応じて声を掛けながらエレベーターを適切に使用していた。1名の利用者は協力を得て、担架で2階まで搬送したが慣れないため、難しかった。手荷物をどうするか、家族への連絡はいつ行うか、薬が必要な利用者がいる場合はどうするかなど検討課題。
全員エレベーターでの避難となったが、万一エレベーターが使用できなかった場合の避難方法についても考える余地がある。
移動先、関係機関への連絡相談は忘れやすいため、役割分担しておくことが必要。
今回の訓練を機に職員一同防災意識を持った業務を心掛けていきたいと思いました。